特殊伐採:20メートル超えのムクノキ剪定

樹高約25メートルのムクノキと15メートルのヤブニッケイから、納屋とお墓に大量の落ち葉や木の実が落ちてくるとのことで、上空で枝を剪定しました。

施工前 納屋の裏にムクノキがそびえ立っています

今までのご依頼の中で一番大きい木で、ワクワク感が止まりません。ざっと見積もって、切り下ろす枝の合計重量が1トンを軽く超えます。下から見ていると、「あそこに登ってこことあそこをズバズバっと切って吊り下ろして、最短3日かな」なんて考えたのですが、始めてみると甘かったです。(笑) 枝にツルが絡まっていたり、枝どうしが重なっていたりして、予想以上に手間や小分けに切り下ろす回数が多くなりました。何より20メートルも昇ると下から見るより枝が太いですね。吊り下ろすときは絶対に引っかからないように慎重に作業しました。それでも一度だけ、吊り下ろす枝と隣の枝が絡みついたツルで繋がっていて、隣の枝をへし折って下りてきました。ヒヤリとしましたが一つ学習しましたので次に生かせます。林業現場人Vol.19を読むと、枝が何かに引っかかっていて危険な個所を「ウィドウ(未亡人)メーカー」というようです。

施工前 屋根にヤブニッケイが覆いかぶさっています
ヤブニッケイの上から

まずはヤブニッケイの剪定です。摩擦ブレーキにロープを巻き付けて下ろします。撮影のために多く巻いて停止させています。地上10メートルくらいでしょうか。

ヤブニッケイ(納屋裏右側)を切り終えて屋根の上がかなりすっきりしました。左隣のムクノキに移っています。枝を切り下ろす動画を撮ってみました。

登る高さが、右からヤブニッケイ10m、ムクノキ①15m、ムクノキ②20mと段々上がっていくのですが、地上からだとスローラインがいいところに届かなかったので樹上から隣の木に掛けます。

スローウェイト

ムクノキ①15mからムクノキ②の枝又を狙ってスローラインが嬉しいことに一発で掛かりました。

前日は枝に絡んで30分くらいジタバタして諦めてラインを切るハメになったんですけど。(笑)

ムクノキ①も切り終え残すはムクノキ②です。

スローラインと繋いでメインロープを掛け、ランニングボーライン(わなもやい結び)を利用して地上からセットします。体重をかけてみて折れる気配がないかしっかり確認します。

これから切り下ろす枝に青いロープを結んでいます
枝下ろし中です

全て切り終え地上へ生還しました。(笑) 下からみると細いですが、メインロープを掛けているところは直径20センチ近くあります。

根本はこんな感じです。参考にグローブを置いてます。

施工後
施工後

屋根上の掃除もして綺麗サッパリ明るくなりました。
とても楽しくてやりがいのある仕事でした。

ー余談ー
木の上は風や作業の荷重でよく揺れるのですが、帰宅してもたまにフワフワします(笑) 船釣りしたあとと同じですね。ロープを結んだり、スローラインを投げたり、無心に道具を準備する感覚とか、魚釣りと似たところがあります。